2014年9月26日金曜日

本埜の仏刹(12) 蜜蔵院 (印西市・将監)

印西市本埜地区の寺院を巡ってきましたが、今回がこのシリーズの最終回になります。
掉尾を飾る 蜜蔵院は、将監川の南、 印西市(大字)将監しょうげん230番地にあります。

蜜蔵院 周辺地図
国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものを利用


山門が道路に面しており、蜜蔵院の全体が見えます


「真言宗豊山派 医王山 蜜蔵院 東光寺」とあります

「蜜蔵院」という寺名は、密教を基とする真言宗らしい命名だといえます。

山門の右にも 小さな古い門柱がありました

1913年に発行された『千葉県印旛郡誌』の「埜原やわら村誌」には、蜜蔵院について以下のように書かれています。

  将監新田 高津に在り、真言宗にして 徳満寺末なり。
  (徳満寺は 利根川を越えた茨城県利根町にある。)
  阿弥陀如来を本尊とす。 由緒不詳。
  堂宇、間口 6間半、奥行き 5間。 庫裏、間口 4間、奥行き 2間半。
  境内、498坪あり。
  住職は、徳満寺住職 細川順継、これを兼務す。
  檀徒 30人を有す。

 
蜜蔵院の本堂(左) と 庫裏(右) 明るい境内


整然としていて 気持ちのよい 本堂の周辺


本堂の左側には、二つの大師堂と不動堂が建っています。
蜜蔵院は真言宗ですが、この開祖は御大師様(空海)です。

本堂の左手に並んでいる三つの小堂


いちばん右にあるのは四郡大師の大師堂です。

四郡大師 第二十番札所の大師堂

四郡大師は、江戸時代の文化・文政年間(1804~1829)に、以下の四つの郡にわたる地域に作られた霊場だといいます。
 ・河内かわち郡  (茨城県  龍ケ崎市、稲敷市、河内かわち町の一部)
 ・北相馬郡 (茨城県  利根町、龍ケ崎市の一部)
 ・下埴生しもはぶ郡 (千葉県  栄町の一部)
 ・印旛郡  (千葉県  栄町、印西市本埜地区の一部)


蜜蔵院は、四郡大師と印西大師、二つの大師講の霊場となっています。
四郡大師の大師堂の左には、印西大師の大師堂があります。

印西大師 第八十四番札所の大師堂


二つ並んだ大師堂の左にも小堂が祀られています。
成田山ゆかりの不動堂のようです。

不動堂 「成田山」という石碑が左にあります


堂内の不動明王像 右手に剣、左手に羂索けんさくを持ちます

成田山新勝寺は、真言宗智山派の大本山のひとつで、本尊は不動明王です。


様々な石碑や仏像が並んでいました これは それらの一部です


ニホンアマガエルが 祠の上にちょこんと座っていました


道路をはさんで蜜蔵院の反対側にある将監青年館


蜜蔵院から100mほど西に行ったところには 大龍だいりゅう神社があります。
この神社で用いる幟用の竿(木製)は蜜蔵院の横に置かれています。

幟竿格納建屋 大龍神社の境内ではなく 蜜蔵院の隣にあります


こんもりとした社叢林が見えます 小高くなった所に大龍神社があります


石の鳥居が 東日本大震災のために倒壊していました


大龍神社境内


大龍神社の社


ホタルガが境内にいました しゃれたカラーリング


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